ここ1ヶ月以内に、深植えが原因で枝が枯れている樹木を2本診断しました。
一本は私が植えたオンコの木が約一ヶ月半後に葉がどんどん赤くなってきているということでした。植え方に問題はなかったし、買った植木の根が充実してなかったのかなあと、いろいろ考えましたが、原因は私が植えた後、周りに小さい柵を立てるためにお客様が木の幹の根元に土を5〜6cm位盛っていたことでした。
処置としては盛った土を取り除き、活力剤を施すことにしました。通常活力剤を使用する管理はしていませんが、仕方なくです。
もう一本は2年前の11月に他社が移植したニシキギが今年の春に枝がどんどん枯れてきたということでした。
お伺いしてみると、これも約5〜6cm幹が土に埋もれていました。枯れ枝が多数あり、胴吹き枝も多数出ていました。また、根張り範囲に防草シートが敷設されていました。
処置としては、余分な土を取り除き、防草シートを出来るだけ広い範囲で剥がしてもらいました。そして枯れ枝を除去しその基部からの発芽の促進をはかりました。胴吹き枝は光合成のために必要な葉がついているので、見た目は悪いですが残しました。
『深植え』すると根は生きるために必要な酸素を取り入れることができなくなり、根腐れを起こし弱ってきます。植えてから根元に土を厚くかぶせるのも同じことです。
水はけの悪い場所での植栽方法である『高植え』を見て、やってもいいんだと勘違いをして土を幹の周りに盛ってしまう方がいます。高植えしていても、幹の周りには土を盛ってはいません。
植栽する時は幹と根鉢との境目に土壌の上っ面がくるように植えましょう。
しつこいようですが、想像以上に『深植え』は樹木にダメージを与えます。