先日、公園のニセアカシアの地上に出ている根や根元付近の幹に黄色の菌糸体が何ヶ所にもあるのを発見しました。
これはベッコウタケだとすぐにわかりました。ベッコウタケは初夏に鮮やかな黄色〜山吹色の菌糸体が形成されます。その後、条件が整うと菌糸の一部が肥大・分化してきのこ(子実体)を形成します。
ベッコウタケは広葉樹、主にエンジュやニセアカシアなどのマメ科樹木に多く発生します。
また、ベッコウタケは木材腐朽菌であり根株腐朽を起こす担子菌類になります。樹木の死滅した組織「木部」だけではなく形成層などの樹木の生きた組織も侵すため、倒木したり樹勢が衰退したり枯死することがあります。
ベッコウタケの胞子は草刈り傷などの傷口からの感染することが多いので、作業の際には根元付近を傷つけないように気をつけなければなりません。
ベッコウタケの被害木は、伐採しても残した根が感染源になりますので、次の感染を防ぐためには根や根株を掘り起こして完全に取り除く必要があります。周囲の土壌を入れ替えることも必要になります。